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スコットランドに関する研究活動
新しく「ウイスキーガロア」という隔月刊のウイスキー専門誌を発行しています。 表紙を含め海外取材時の写真など、多数の写真を提供し応援しています。
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ペットの法律問題に関する研究
ペット法学会 役員名簿 令和6年11月現在 理事長 新美 育文 副理事長 吉田 眞澄 令和6年11月現在
副理事長
林 良博
常任理事
椿 久美子
常任理事 渋谷 寛 理事 小泉 潤二 理事 浦川 道太郎 理事 山本 正尭
理事
角谷 正彦 会員を募集しているようです。 最近のシンポジウムの内容は以下のとおりです。 2025年(令和7年)度のシンポジウムの日程は未定のようです 2024年(令和6年)度 第25回 ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「動物福祉を巡る諸問題」 日時:2024年11月2日(土) 午後1時30分から午後5時頃まで(午後0時50分頃開場予定) 会場:明治大学 リバティタワー 11階 1114教室 〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 ○開会の辞 (午後1時30分) 法学会 ペット法学会 理事長 新美育文 ○司会挨拶 同 事務局長 渋谷 寛 ○午後1時35分より □基調講演(30分)「動物愛護管理法及び動物福祉について」 環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室 室長補佐 吉 澤 泰 輔 □報告1(45分)「動物虐待防止に向けた民事法的考察 ―動物福祉の実現に向けた解釈と提言―」 平成国際大学 法学部 教授 牧野 高志 □報告2(45分)「欧米の法制度比較からみる動物福祉の理解: 動物実験規制を中心に」 長崎大学環境科学部 准教授 本庄 萌 ○報告者らによるパネルディスカッション及び質疑応答 (午後3時50分頃から) ○閉会の辞(午後4時50分頃終了予定) 2023年(令和5年)度 第24回 ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「愛玩動物看護師法の制度」 日時:2023年 11月18日(土) 午後1時30分から午後5時頃まで(午後0時50分頃開場予定) 会場:明治大学 リバティタワー 7階 1074教室 〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 〔プログラム〕 正午より役員会(理事等役員のみ) リバティタワー7階 1072教室 午後1時05分よりペット法学会総会(会員のみ) 同7階 1074教室 ○開会の辞(午後1時30分) ペット法学会 理事長 新美育文 ○司会挨拶 弁護士・弁理士 佐 藤 孝 丞 ○午後1時35分より □基調講演(40分)「愛玩動物看護師制度について」 環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室 室長 立田 理一郎 □報告1(30分)「愛玩動物看護師制度で獣医療はどう変わるか」 (公社)日本獣医師会 理事(動物福祉・愛護職域担当) (公社)大阪府獣医師会 会長 帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科 教授 獣医師・博士(獣医学) 佐伯 潤 □報告2(30分)「愛玩動物看護師における今後の課題」 ヤマザキ動物看護大学 講師・愛玩動物看護師 荒川真希 □報告3(20分)「愛玩動物看護師の法的な責任」 弁護士・司法書士 渋谷 寛 ○報告者らによるパネルディスカッション及び質疑応答(午後3時45分頃から) ○閉会の辞(午後4時50分頃終了予定) 2022年(令和4年)度 第23回 ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「令和元年動物愛護管理法改正」 ―マイクロチップ装着義務化の課題― 日時:2022年 11月5日(土) 午後1時30分から午後5時頃まで(午後0時50分頃開場予定) 会場:明治大学 リバティタワー13階 1135教室 〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1(別紙地図参照) 〔プログラム〕 ○開会の辞(午後1時30分) ペット法学会 理事長 新美育文 ○司会挨拶 弁護士 杉村亜紀子 ○午後1時35分より □基調講演(50分)「改正動物愛護管理法のマイクロチップ登録制度 ~導入の経緯と制度概要~」 環境省動物愛護管理室 室長 野村 環 □報告1(40分)「ドイツ・オーストリア・スイスにおけるマイクロチップ装着の義務化の状況」 明治大学名誉教授 椿 久美子 □報告2(40分)「マイクロチップ装着義務化の運営上の課題」 公益社団法人日本獣医師会 事務局次長 (事業・動物福祉愛護担当) 松岡 猛 ○報告者らによるパネルディスカッション及び質疑応答(午後3時45分頃から) 2019年(令和元年)度 第22回 ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「ペット法、この10年の歩みと今後の課題」 ―国内及び海外の現状と課題― 日時:2019年 11月23日(土) 午前10時30分から午後4時30分頃まで(午前10時15分開場予定) 会場:明治大学 リバティタワー9階 1096教室 〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1(別紙地図参照) 〔プログラム〕 ○開会の辞(午前10時30分) ペット法学会 理事長 棚橋祐治 ○司会挨拶 弁護士 渋 谷 寛 ○午前の部(午前10時35分より) □研究報告1(25分)「中国の動物保護法の現状と課題」 ミドルベリー大学 学生 張 シンユー □研究報告2(35分)「改正動物愛護管理法と愛玩動物看護師法(新法)」 環境省動物愛護管理室室長 長田 啓 □研究報告3(35分)「動物愛護と動物福祉の歴史」 ヤマザキ動物看護大学 名誉教授 会 田 保 彦 ― 昼食休憩(午後0時10分頃より)― 午後0時20分より役員会(役員のみ)1091教室 午後1時20分よりペット法学会総会(会員のみ)1096教室 ○午後の部 研究報告とパネルディスカッション(午後1時50分より) □研究報告4(35分)「日本の動物実験の実態」 (写真撮影と録音はご遠慮下さい) 時事通信 記者 森 映 子 □研究報告5(35分)「ヨーロッパの動物法の動向―フランスを中心に」 明治大学法学部 教授 吉 井 啓 子 □研究報告6(35分)「犬猫の仲介サイトとプラットフォームをめぐる問題」 日本大学法学部教授・弁護士 長谷川 貞之 ○報告者らによるパネルディスカッション及び質疑応答(午後3時45分頃から) ○閉会の辞(午後4時30分頃終了予定) 2018年度 第21回ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「ペットから見る獣医療関連法」 動物愛護管理法の度重なる改正を踏まえ、 獣医師法・獣医療法等をペットの視点から見直す 研究報告 平成30(2018)年11月17日(土) 「ペットから見る獣医師法及び獣医療法の課題」 弁護士・司法書士 渋 谷 寛 ―馬から牛豚鶏を経て犬猫へー 第1 はじめに 1 この20年の間で動物愛護管理法は3回(平成11年、17年、24年)の大きな改正を経ている。 動物福祉や動物愛護の精神から、主に犬や猫などのペットについての法改正が行われてきた。 これに対し、獣医師法及び獣医療法については、平成4年以降では大きな改正が見られない。 動物福祉や動物愛護を重視するように変わった社会的風潮の変化から、何らかの見直す必要があるのではなかろうか。 法改正の必要性を検討する。 2 獣医師(法)の歴史 一 ハムラビ法典(紀元前1792年から1750年頃) 第224条には、「もし牛あるいはロバの医者が牛あるいはロバに大傷を負わせたが治したなら、 牛あるいはロバの所有者は銀6分の1(シキル)を彼の料金として与えなければならない。」 第225条には、「もし牛あるいはロバに大傷を負わせ、死なせたなら、 彼(医者)は牛あるいはロバの所有者にその価値の4(あるいは5?)分の1を与えなければならない。」 (ハムラビ「法典」、中田一郎訳、1999年発行) 二 日本における獣医療の歴史 古事記に出てくる稲葉の白兎の話 聖徳太子が療馬法を学ばせた(595年)。 三 獣医師法令 明治18(1885)年 太政官布告 第17号 獣医開業試験規則 第28号 獣医免許規則 明治23(1890)年 獣医免許規則 法律第76号 大正15(1926)年 旧獣医師法 法律第53号 獣医師免許資格の引き上げ 懲役、禁錮、罰金刑などが欠格事由になった 診療対象家畜の制限:牛、馬、めん羊、山羊、豚、犬及び猫(昭和2年 勅令74号) 獣医師の義務:自ら診察・検案する義務、応召義務、診断書等の交付義務、 診療簿を3年間備える義務、開業等の届出義務 広告規制:学位、称号、専門家名のみ。技能、療法及び経歴は不可 獣医師会の設置:昭和2(1927)年 各都道府県獣医師会、昭和3(1928)年 日本獣医師会設立 戦時下、獣医不足「獣医手」制度、未成年者も可 昭和24年6月1日 法律186号 獣医師法(同年10月1日施行) 主な法規内容:診療対象家畜に鶏を追加、応召義務の罰則を廃止、 応召義務の対象動物に制限なし 日本獣医師会等は昭和23(1948)年7月に法律により解散 しかし昭和23(1948)年8月 社団法人日本獣医協会設立、 昭和26(1951)年 日本獣医師会に名称変更 第2 ペットから見る獣医師法 1 獣医師法の改正 昭和28年8月15日 法律213号 地方自治法改正に伴う関係法令整理(届出事項の変更) 昭和29年4月22日 法律71号 あへん法(欠格事由に「あへん中毒者」を追加) 昭和52年5月27日 法律47号 獣医師法の一部改正(2年間修士課程、昭和53年4月1日施行) 昭和53年4月24日 法律27号 各種手数料等の改定(国家試験受験手数料「3000円以内」) 昭和53年5月23日 法律55号 審議会等の整理(獣医事審議会の委員から「関係行政庁の職員」を除く) 昭和57年7月23日 法律69号 行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理 (「毎年」から「省令で定める2年ごと」の届出に緩和) 昭和58年5月25日 法律第55号 学校教育法の一部を改正する法律 (6年一貫教育、昭和59年4月1日施行) 昭和59年5月1日 法律第23号 各種手数料等の額の改定及び規定の合理化に関する法律 (獣医師免許手数料及び国家試験受験手数料を「政令で定める額」) 平成4年5月20日 法律第45号 獣医師法の一部を改正する法律 平成5年11月12日 法律第89号 行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律 平成11年7月16日 法律第102号 中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律 平成11年7月16日 法律第87号 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律 平成11年12月8日 法律第151号 民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 (4条第2項を「成年被後見人又は被保佐人」に変更) 平成11年12月22日 法律第160号 中央省庁等改革関係法施行法 平成14年5月15日 法律第43号 障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律 (「心身の障害により獣医師の業務を適正に行うことができない者として農林水産省令で定めるもの」に変更) 平成14年6月14日 法律第70号 牛海綿状脳症対策特別措置法 (診療簿等の保存期間を「三年間」から「三年以上で農林水産省令で定める期間」に変更) 平成16年12月1日 法律第150号 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 (21条の検案簿について電磁的記録を含むことにした) 平成19年6月27日 法律第96号 学校教育法等の一部を改正する法律(条文の号数の変更) 平成25年11月27日 法律第84号 薬事法等の一部を改正する法律 (18条の義務に「再生医療等製品の使用若しくは処方」、29条の罰則にも追加) 平成25年12月13日 法律第103号 薬事法等の一部を改正する法律(条文の号数の変更) 大きな改正といえるのは、アンダーラインを引いた4回だけであろう 2 平成4年の改正は、もっとも大規模な改正といえる 一 改正の背景 獣医師の活動の多様性 戦後の食の変化 小鳥、観賞魚ブーム オウム病による被害 医師、歯科医師と同様に、資格法と医療法の2本柱の法体系にする 「医師法」「歯科医師法」と「医療法」との均衡。 二 平成4年の主な改正点 獣医師の役割の多様性に対応 畜産の生産性の向上、公衆衛生の向上、公衆衛生指導の強化 鳥類にオウム病が発生したことから、飼育動物にうずら及び小鳥を追加 医薬品の複雑化等に伴い、要診察事項に動物医療薬品を追加 免許取得後の臨床研修制度(16条の2)の創設 三 獣医師法の課題 以下、基礎となる条文を押さえつつ、改正の必要があると考えられる条文を概観する。 (獣医師の任務) 第1条 獣医師は、飼育動物に関する診療及び保健衛生の指導その他の獣医事をつかさどることによつて、 動物に関する保健衛生の向上及び畜産業の発展を図り、あわせて公衆衛生の向上に寄与するものとする。 平成4年の改正で、「畜産業の発達」「公衆衛生の向上」の他に「動物に関する保健衛生」が加わった。 この「動物」は同法1条の2の「飼育動物」よりも広い。 (定義) 第一条の二 この法律において「飼育動物」とは、一般に人が飼育する動物をいう。 平成4年改正で新設。「家畜」という用語は使用しない。実際に飼育している必要はない。 犬であれば野犬も含む。 「一般に人が飼育する動物」の範囲が曖昧である。エキゾチックアニマル等多様な動物が飼育されるようになった。 厳格な定義規定を設けたほうが良いのではないか。 (名称禁止) 第二条 獣医師でない者は、獣医師又は、これに紛らわしい名称を用いてはならない。 「動物医」「家畜医」などが例示されている。 ちなみに、違反には罰則あり。 (免許) 第三条 獣医師になろうとする者は、獣医師国家試験に合格し、かつ、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めて、 農林水産大臣の免許を受けなければならない。 試験問題はすべて筆記テストであり、面接試験はない。 人は苦手だけれども動物が好きという動機で獣医師を志望することはないだろうか。 ペットを扱う獣医師には飼い主に十分な説明ができることが必要であり、この能力を判断する必要があるのではないか。 インフォームド・コンセントの重要性を自覚できるような問題の数を増やすべきではないか。 (臨床研修) 第十六条の二 診療を業務とする獣医師は、免許を受けた後も、大学の獣医学部附属施設または 農林水産大臣指定の診療施設において臨床研修を行うよう努めるものとする。 獣医療過誤訴訟が増加傾向にある中、研修制度を義務化する必要があるのではないか。 (飼育動物診療業務の制限) 第十七条 獣医師でなければ、飼育動物(牛、馬、めん羊、山羊、豚、犬、猫、鶏、うずらその他政令で定めるもの) の診療を業務としてはならない。 平成4年改正で、うずらと小鳥が追加。政令ではオウム科・ケデチョウ科・アトリ科と規定。 セキセイインコ・ブンチョウ・カナリア等。 「飼育動物」に更に限定を加えている。列挙されていない動物は規制対象外。 ウサギ、フェレット、ハムスター、トカゲ、魚類、ライオン等は対象外。 「診療」とは、獣医学的判断・技術を要する行為全般を指す。 「血液検査の結果判定」「体温・脈拍測定」だけでは診療にあたらない。 医師が診療対象飼育動物を診療することは違法。 針きゅう師が診療対象飼育動物に針きゅうを行うことは違法。 無資格者がマッサージを行うことは違反にあたらない。 無資格者がはり・灸・カイロプラクティックを行う場合は違反しないだろうか。 動物看護師が行える行為の明確化が必要。採血・注射・爪切り・歯石除去など。 動物看護師法の制定が必要ではないか。 飼い主が自ら診療することは違法ではないか。 動物愛護管理法44条2項は「適切な保護を行わないこと」を虐待とする。 素人治療は危害のおそれがあり、制限を加えるべきではないか。 ちなみに、違反には罰則あり。 (診断書の交付等) 第十八条 獣医師は、自ら診察しないで診断書を交付し、若しくは劇毒薬、生物学的製剤その他農林水産省令で定める医薬品の投与若しくは処方若しくは再生医療等製品の使用若しくは処方をし、 自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証明書を交付し、又は自ら検案しないで検案書を交付してはならない。 同条第二項 獣医師は、前項の診療簿及び検案簿を三年以上で農林水産省令で定める期間保存しなければならない。 「獣医師法規則」 (診療簿及び検案簿の保存期間) 第十一条の二 法第二十一条第二項の農林水産省令で定める期間は、 牛、水牛、しか、めん羊及び山羊の診療簿及び検案簿にあつては八年間、 その他の動物の診療簿及び検案簿にあつては三年間とする。 不法行為の時効は3年だが、債務不履行責任の時効は10年、商法の適用がある事例であっても5年となる。 獣医療過誤訴訟の重要な証拠となることを考えると、保存期間を少なくとも5年に延ばしてもよいのではないか。 診療簿のみならず、血液などの検査結果、レントゲン等の関連資料の保存を義務付けてもよいのではないか。 電子カルテ化を推奨することにより、より容易に実現できるのではないか。 第五章の獣医事審議会 (設置) 第二十四条 獣医師国家試験に関する事務その他この法律及び獣医療法によりその権限に属させられた事項を処理させるため、 農林水産省に獣医事審議会を置く。 (免許の取消し及び業務の停止) 第八条 獣医師が第四条各号の一に該当するとき、又は獣医師から申請があつたときは、 農林水産大臣は、その免許を取り消さなければならない。 2 獣医師が次の各号の一に該当するときは、農林水産大臣は、獣医事審議会の意見を聴いて、 その免許を取り消し、又は期間を定めて、その業務の停止を命ずることができる。 一 第十九条第一項の規定に違反して診療を拒んだとき。 二 第二十二条の規定による届出をしなかったとき。 三 前二号の場合のほか、第五条第一項第一号から第四号までの一に該当するとき。 四 獣医師としての品位を損ずるような行為をしたとき。 (免許を与えない場合) 第五条 次の各号のいずれかに該当する者には、第三条の免許を与えないことがある。 一 心身の障害により獣医師の業務を適正に行うことができない者として農林水産省令で定めるもの 二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者 三 罰金以上の刑に処せられた者 四 獣医師道に対する重大な背反行為若しくは獣医事に関する不正の行為があった者又は著しく徳性を欠くことが明らかな者 審議会に付すべき事案の全てを審議に付しているか。刑事事件となり報道された事案に偏っているのではないか。 飼い主とのトラブル事案、獣医療過誤に該当する事案を対象とする必要はないか、 悪質な場合は対象としても良いのではないか。 獣医療過誤事件に関する司法の民事裁判では、立証の困難性も伴い獣医師に損害賠償を命じる事例が少ない。 命じたとしてもその額はそれほど高額ではないのが現状である。 獣医療の質の向上、獣医師の不正行為の撲滅、徳性の維持のためにも、 獣医療の内容に関する審議を行う必要があるのではないか。 獣医事審議会の調査能力等の権限を更に強化する必要があるのではないか。 第3 ペットからみる獣医療法 1 獣医療法の制定(平成4年)後の改正 平成5年11月12日 法律第89号 行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律 平成11年7月16日 法律第87号 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律 平成11年7月30日 法律第115号 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律 一 獣医師又は診療施設の専門科名二 獣医師の学位又は称号2 前項の規定にかかわらず、獣医師又は診療施設の業務に関する技能、療法又は経歴に関する事項のうち、 広告しても差し支えないものとして農林水産省令で定めるものは、広告することができる。 この場合において、農林水産省令で定めるところにより、その広告の方法その他の事項について必要な制限をすることができる。 獣医療法規則(広告制限の特例)第二十四条 法第十七条第二項前段の農林水産省令で定める事項は、次のとおりとする。
2 法第十七条第二項後段の農林水産省令で定める制限は、次のとおりとする。
一 同規則24条の改正の経緯
第4 まとめ犬・猫を中心としたペットブームという社会現象に伴い、平成4年以降幾度かの改正がなされているが、 より大胆に改正をする時期が来ているのではなかろうか。 ペットの飼い主への配慮という視点、飼い主にとってより利便性のある法律となるためにも 改正を検討することが必要であろう。 以上 参考図書:「獣医師法・獣医療法の解説」農林水産省畜産局監修、獣医事研究会編集、株式会社地球社 平成5年発行 2017年度 第20回 ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「犬の登録制度の各国比較」日時:2017年11月11日(土) 場所:金沢工業大学 東京虎ノ門キャンパス 13階 1301会議室 〔プログラム〕○司会挨拶(10:30) ○開会の辞 ○午前の部(10:35〜)基調講演(60分) ○研究報告
1「アメリカにおけるペット動物の飼育と登録制度について ― 犬のペット・ライセンス登録制度を中心に ―」(45分) ― 昼食休憩(12:20頃〜) ― ○午後の部(14:00〜)研究報告
2「ドイツ・オーストリアにおける犬の登録制度」(45分)
3「フランスにおける犬・猫の登録制度について」(45分) パネルディスカッション・質疑応答(10分休憩をはさみ 15:40頃より) ○閉会の辞(17:00頃終了予定) ※会員外参加者は参加費1,000円を頂きます。
お問合せ先: 2016年度 第19回 ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「動物愛護法と科学的知見」日時:2016年11月12日(土) 場所:金沢工業大学 東京虎ノ門キャンパス 13階 1301会議室 〔プログラム〕○司会挨拶(10:30) ○開会の辞 ○懇親会 学術集会終了後、会場近くにて懇親会を予定しています(会費2,000円) ※会員外参加者は、参加費1,000円を頂きます。 報告内容 平成28(2016)年11月12日 ペット法学会 第19回 シンポジウム 「夜間展示と科学的知見」 報告者 弁護士 渋谷 寛 一 動物愛護管理法施行規則の改正 (動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目の改正については省略する。) 夜間展示に対する時間及び方法が規制される経緯。 1 動物愛護管理法第21条1項では 「第一種動物取扱業者は、動物の健康及び安全を保持するとともに、 生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため、 その取り扱う動物の管理の方法等に関し環境省令で定める基準を遵守しなければならない。」 と規定している。 この法律の委任を受けた同法施行規則に、平成24年の改正で第8条に4号が設けられた。 第一種動物取扱業者の遵守基準として 「販売業者、貸出業者及び展示業者にあっては、犬又は猫の展示を行う場合には、 午前八時から午後八時までの間において行うこと。」 と定められた。 改正の理由としては、 「動物の夜間展示により、特に犬及びねこについて、睡眠時間の不足、 不適切な生活サイクルの強要による重大なストレスが生じている状況にあることから、 犬及びねこの夜間展示を禁止する」 とされている。 また、「社会通念や国民の動物に対する愛情感情への侵害を考慮」することも理由とされている。 施行は同年6月1日からとされた。 2 もっとも、いわゆる猫カフェの営業については特例として経過措置が設けられ、 午後10時まで営業ができるとされた。 同施行令の付則において 「販売業者、貸出業者又は展示業者が、午後8時から午後10時までの間に、 成猫(生後1年以上のねこのことをいう。)を、当該成猫が休息ができる設備に 自由に移動できる状態で展示を行う場合においては、 平成26年5月31日までの間は、第8条4号の規定は適用しない。」 と定めた(平成24年5月21日、環境省令第13号)。 同年6月1日より施行。 成猫についてだけ、午後10時まで延長する理由については、 パブリックコメントに対する環境省の回答では 「成猫が休息場所に自由に移動できる状態での展示については、 成猫の生態等に鑑みると一定の配慮が必要である」 とされている。 この経過措置は平成26年の改正により更に2年間延長された。 延長理由としては、 「猫のストレス状態調査を継続し、行動学的知見や業界の自主的取組みを踏まえ、 適正な規制のあり方について更なる検討を行う必要があるため」 とされている。 平成26年5月30日施行。 3 2度目の延長期間が経過する平成28年6月に先立ち、 午後10時まで延長する特例は付則ではなく施行規則本文に取り込まれた。 同法施行規則第8条4号但書として、次のように規定された。 「ただし、特定成猫の展示を行う場合にあっては、午前八時から午後十時までの間において行うことを妨げない。 この場合において、一日の特定成猫の展示時間 (特定成猫の展示開始時刻及び展示終了時刻のうち最も早い時刻から最も遅い時刻までの時間をいう。)は、 十二時間を超えてはならない。」 4 夜間展示に対する制限に関する理由 ペットショップの場合、狭い部屋、人の出入りの多さ、夜でも明るい環境によるストレス、 衝動買いの弊害などが理由として挙げられている。 猫カフェの場合、上記の理由はそのまま当てはまるか。 猫カフェだけ夜の営業を2時間延長する理由として、 ・比較的移動が自由 ・出入りするのは特定の少人数 ・猫は夜行性 ・営業時間短縮によりケージ滞在時間が増え負担になる などが主張されている。 これらの夜間営業規制を加えるにあたり、科学的知見はどのように役立つか。 二 動物愛護管理法(省令を含む)改正と科学的知見 1 犬猫を販売するペットショップは平成24年改正により、 午前8時〜午後8時までしか営業できなくなった。 猫カフェは午後10時まで延長されているが、それ以降の営業はできない。 これらの規制は、憲法21条1項の「職業選択の自由」に含まれる営業の自由への規制である。 もっとも、人権も公共の福祉による制限を受ける。 我が国には動物保護を憲法上明記した規定がないため、規制が加えにくいのではないか (比較:ドイツ憲法)。 夜間営業制限の合憲性が争われた場合、裁判所は「合理性の基準」により判断する。 すなわち、立法目的が正当であり、目的と手段に合理的関連性があるかどうかを判断する。 法令制定・改正には「立法事実」が必要とされる。 立法事実とは、法を支える社会的・経済的・政治的・科学的事実のことである。 科学的知見とは、社会科学・自然科学・人文科学の知見を含み、 調査・研究・実験の論文や調査報告を指す。 2 科学的知見は合理性を支える一要素となるか 科学的知見を立法事実として重視すべきでないとの議論もある。 科学的根拠にも誤りがありうるし、学説の対立や変動もある。 新たな研究が次々と出るため、科学的根拠に依存しすぎると法改正が頻繁になり、 法的安定性が損なわれるとの懸念である。 しかし、科学の恩恵は大きく、非科学的な意見への抑制にもなる。 立法事実の合理性を検証するうえで、科学的知見は参考にすべきである。 特に動物愛護管理法の改正では、感情論が先行するとの批判もあり、 科学的知見を踏まえることは重要である。 三 平成28年度の猫カフェに関する施行規則改正における科学的知見 改正にあたり、環境省は中央環境審議会動物愛護部会(第41〜43回)の意見を参考にした。 部会資料には、パブリックコメント結果、猫カフェ実態調査、 猫のストレス状態調査などが含まれている。 第41回資料:平成24年パブコメ結果、平成25年猫カフェ実態調査、 9店舗を対象とした尿中コルチゾール調査。 第42回資料:平成27年猫カフェ実態調査、 73店舗を対象とした糞便中コルチゾール調査。 第43回資料:平成28年パブコメ結果。 科学的知見と評価できるのは、少なくとも2回のストレス状態調査である。 第1回調査(尿):午後8時閉店の方がコルチゾール濃度が高い傾向。 第2回調査(糞便):午後8時閉店と午後10時閉店で有意差なし(店舗間差はあり)。 調査は帝京科学大学・加隈准教授が実施。 これらの調査から、午後10時閉店が猫のストレスを増加させるとの結果は得られなかった。 よって、午後10時までの営業延長は猫の健康を悪化させないという 科学的知見の一つと評価できる。 環境省はパブコメへの回答で、 「午後8時閉店と午後10時閉店で有意差は認められなかった」 と説明している。 もっとも、コルチゾール調査は午後10時までの延長の合理性を直接裏付けるものではない。 四 最後に 動物愛護家とペット業者の感情論の対立は望ましくない。 法改正には社会的・経済的・政治的・科学的知見に基づく議論が必要である。 今後も新たな科学的知見を探求し、節目ごとに改正の判断材料とすべきである。 今回の改正では付則から本文に移り、2年ごとの見直し機会がなくなった。 これまでの経緯を踏まえ、今後も同様の間隔で再検討してもよいのではないか。 ストレス調査は猫カフェの夜間2時間の差のみを対象としているが、 ペットショップ・犬カフェ・猫カフェという形態そのものが 犬猫にどれだけストレスを与えているか、 一般家庭との比較など、調査対象を広げる必要もある。 以上 2015年度 第18回 ペット法学会・学術集会のご案内 テーマ:「ペットの高齢化と法」 日時 2015年 11月14日(土) 午前10時25分から午後4時30分頃まで(午前10時15分開場予定) 場所:金沢工業大学 東京虎ノ門キャンパス 13階 1301会議室 〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-4 愛宕東洋ビル(別紙地図参照) 〔プログラム〕 ○開会の辞(午前10時25分) ペット法学会理事長 棚橋祐治
○第一部 コーディネーターの問題提起とパネリスト報告(午前10時30分) 日本大学法学部教授・弁護士 長谷川貞之 2 ペットの高齢化と動物医療 日本大学医学部兼任講師・獣医師 岩上悦子 3 老犬ホームの現場取材からみたペット動物の高齢化と課題 時事通信社 記者 森 映子 4 動愛法における老犬ホームの「保管」と「譲受飼養」 弁護士 浅野明子 5 目的信託とペット動物の保護 ~アメリカ統一法典、各州法のペット信託の展開を参考にして~ 日本大学法学部教授・弁護士 長谷川貞之
6 ドイツにおけるティアハイムについて ― 昼食休憩(午後0時35分頃より)― 午後0時40分より役員会(役員のみ) 午後1時35分よりペット法学会総会(会員のみ) ○第二部 パネルディスカッションと出席者の質疑応答(午後2時) 1 報告者からの追加報告 2 コメンテーターからのコメント 3 出席者との質疑応答 ○閉会の辞(午後4時30分頃終了予定) ○懇親会 学術集会終了後、同キャンパス内にて懇親会を予定しています(懇親会費 2,000円) ※会員以外の方は当日大会参加費として1,000円をお支払いください。 2014年度(一般の方も参加可能・参加費1,000円) 第17回 ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「飼い主責任のあり方」 日時:2014年 11月22日(土) わんわん・ニャンニャン 午前10時30分から午後5時頃まで(午前10時20分開場予定) 場所:金沢工業大学 東京虎ノ門キャンパス 13階 1301会議室 〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-4 愛宕東洋ビル 〔プログラム〕 ○開会の辞(午前10時30分) ペット法学会理事長 棚橋祐治 ○午前の部 研究報告(午前10時35分より) 研究報告本シンポジウムの意義 シンポジウムコーディネーター 弁護士 吉田眞澄 1 飼い主責任の現状と課題(報告内容) 弁護士 渋谷 寛 2 ペットに対する飼い主責任 国立科学博物館館長 林 良博 (終生飼養義務に関連して安楽死を含め死の問題を含む) 3 社会に対する飼い主責任 弁護士 細川 敦史 4 犬の飼養規制(比較法) 明治大学法科大学院教授 椿 久美子 ― 昼食休憩(12時30分頃より)― 午後12時40分より役員会(役員のみ) 午後1時30分よりペット法学会総会(会員のみ) ○午後の部 研究報告とパネルディスカッション(午後2時より) 研究報告 5 飼い主責任と社会の対応 旭化成ホームズくらしノベーション研究所 (ペットの死に対する社会の対応策を含む) 6 飼い主責任のあり方 弁護士 吉田 眞澄 7 15分の休憩をはさみ 15:15 から報告者によるパネルディスカッション パネルディスカッションのテーマ(議論の流れにより変更の可能性あり) (1)狂犬病予防法上の犬の飼い主義務の位置付けとマイクロチップ (2)犬・猫の飼養者把握促進とペットの住民登録(戸籍) (3)犬・猫の不妊・去勢手術推進と所有権 (4)飼い主責任強化と飼い主支援 (5)ゆりかごから墓場まで―飼い主責任の多様性 (6)飼い主責任とペットに開かれた社会 (7)飼い主責任とペット大国 ○閉会の辞(午後5時頃終了予定) ○懇親会 学術集会終了後、会場近くにて懇親会を予定しています(懇親会費 2,000円) 2013年度 (一般の方も参加可能です。参加費 1,000円が必要です。) 第16回 ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「改正動物愛護管理法施行と関係者の対応策」 日時:2013年 11月9日(土)
午前10時30分から午後5時30分頃まで(午前10時20分開場予定) 〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-4 愛宕東洋ビル(別紙地図参照) 〔プログラム〕 ○開会の辞(午前10時30分) ペット法学会理事長 棚橋 祐治 総合司会 明治大学教授・ペット法学会事務局長 新美 育文 ○午前の部 研究報告(午前10時40分より) 研究報告 本シンポジウムの意義 シンポジウムコーディネーター 吉田 眞澄 5分 1 改正動物愛護管理法の特徴と関係者の対応策(基調講演) 環境省自然環境局動物愛護管理室室長 田邉 仁 45分 2 改正動物愛護管理法と獣医師・獣医師会の対応策 明治大学教授・ペット法学会事務局長 新美 育文 30分 3 改正動物愛護管理法と関連資格教育組織の対応策 日本獣医生命科学大学学長 池本 卯典 30分 ― 昼食休憩(12時30分頃より)― 午後12時40分より役員会(役員のみ) 午後1時30分よりペット法学会総会(会員のみ) ○午後の部 研究報告とパネルディスカッション(午後2時00分より) 研究報告 4 改正動物愛護管理法と動物愛護団体等の対応策 ペット法学会会員・弁護士 細川 敦史 30分 5 改正動物愛護管理法と犬猫等販売業の対応策(下の方に 青字 で内容を示します。) ペット法学会事務局次長・弁護士 渋谷 寛 30分 6 改正動物愛護管理法施行と残された課題 ペット法学会副理事長・弁護士 吉田 眞澄 45分 7 15分の休憩をはさみ16:00から報告者によるパネルディスカッション ○閉会の辞(午後5時30分頃終了予定) 2013年度 第16回 ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「改正動物愛護管理法施行と関係者の対応策」 研究報告「改正動物愛護管理法と犬猫等販売業の対応策」 報告者 弁護士 渋 谷 寛 一 犬猫販売業者への規制の必要性 ペットブームの中、飼主の需要に応える形で大量のペットが販売された。ペットは商品として扱われ、 売り上げを伸ばすために無責任な販売が行われたことがあった。経費削減のため劣悪な環境に置かれることもあった。 消費者である飼主及びペットの保護のために、犬猫等販売業者に対する規制の必要が生じた。 二 これまでの規制 昭和48年の動物保護管理法制定当時、動物販売業に対する規制はなかった。 平成11年の同法改正で動物取扱業者の届出制が導入された。 平成17年の動物愛護管理法の改正で登録制に変わった。 登録義務(第10条)、登録拒否(第12条)、5年ごとの更新義務(第13条)、登録の取消(第19条)等が規定された。 三 今回改正における規制強化 ・ 平成24年の施行規則改正において付け加えられた事項として、 犬又は猫の飼養施設は、他の場所から区分する等の夜間(午後八時から午前八時まで)に 顧客・見学者等を立ち入らせない措置を講じなければならなくなった。 ・ 第1種動物取扱業者と第2種動物取扱業者、登録制と届出制の併用 1 犬猫等動物販売業者(第1種動物取扱業)に対する規制 ・ 販売には、小売業者、卸売業者、販売目的の繁殖又は輸入を行う業者、 露天等での販売業者、インターネット等による通信販売業者などが含まれる。 ① 感染性の疾病の予防の努力義務(第21条の2) 犬猫等動物販売業者を含む第一種動物取扱業者は、その取り扱う動物の健康状態を日常的に確認すること、 必要に応じて獣医師による診療を受けさせることその他のその取り扱う動物の感染性の疾病の予防のために 必要な措置を適切に実施するよう努めなければならない。 ② 販売が困難になった場合の譲渡しについての努力義務(第21条の3) 犬猫等動物販売業者を含む第一種動物取扱業者は、業を廃止する場合その他の業として動物を取り扱うことが 困難になった場合には、当該動物の譲渡しその他の適切な措置を講ずるよう努めなければならない。 ③ 犬猫等を販売する際の現物確認・対面説明の義務付け(第21条の4) 第一種動物取扱業者のうち犬、猫その他の環境省令で定める動物(哺乳類・鳥類・爬虫類)の販売を業とする者は、 販売時に購入希望者へ動物の現在の状態を直接見せ、対面で書面または電磁的記録により 飼養・保管方法、生年月日、繁殖者名など環境省令で定める情報を提供しなければならない。 2 犬猫販売業者特有の規制の設置 ① 幼齢個体の安全管理、販売困難個体の扱いに関する「犬猫等健康安全計画」の策定(第10条3項)及び遵守(第22条の2) 犬猫等健康安全計画とは、幼齢犬猫等の健康・安全保持の体制整備、販売困難個体の取扱い等に関する計画で、 登録の要件となる(施行規則第2条の2)。 そして犬猫等販売業者は、この計画に従って業務を行わなければならない(第22条の2)。 ② 獣医師等との連携の確保(第22条の3) 犬猫等販売業者は、飼養・保管する犬猫等の健康及び安全を確保するため、獣医師等との適切な連携を図らなければならない。 ③ 販売困難となった犬猫等の終生飼養の確保(第22条の4) 犬猫等販売業者は、やむを得ない場合を除き、販売困難となった犬猫等についても終生飼養の確保を図らなければならない。 買い手のつかなかった大量の犬猫の譲渡先を探さなければならないことになろう。 ④ 出生後56日を経過しない犬猫の販売目的の引渡し・展示の禁止(第22条の5) 犬猫等販売業者(繁殖を行う者に限る。)は、出生後56日未満の犬猫を販売目的で引渡し・展示してはならない。 なお、施行後3年間は「45日」、その後法律で定める日までは「49日」と読み替える(附則第7条)。 特異な立法例であるが、利害が対立する立場の妥協の産物と言えよう。 ⑤ 犬・猫等の所有状況の記録・報告(第22条の6) 犬猫等販売業者は、施行規則第10条の2に基づき帳簿を備え、所有する犬猫等について、 取得日・販売日・引渡日・死亡日などを個体ごとに記録し保存しなければならない。 四 犬猫販売業者の対応策 今回の改正で義務が多数追加されたことにより、事業計画・販売マニュアルの見直し、 スタッフ教育の再構築などが必要となる。経営の抜本的見直しが必要となり、 経費増加による販売価格の上昇、個人営業店の閉店、チェーン店の残存などが予想される。 五 将来の課題 行政の立ち入り調査・勧告・命令の実効性の確保 罰則(実際に刑罰が科された例は極めて少ない)の実行性の確保 獣医師との不当な結びつきが起きる可能性の検討 マイクロチップ義務化の時期の検討 衝動買い・不十分な環境などの問題が指摘されるペットショップという売買形態の是非の検討 インターネット販売の全面禁止の検討 以上 2012年度 第15回 ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「ペット関連事業の新展開と法的課題― ペット大国への最終ハードルを探る」 日時: 2012年 11月10日(土) 午前10時30分から午後5時30分頃まで(午前10時20分開場予定) 場所: 金沢工業大学 東京虎ノ門キャンパス 13階1301会議室 〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-4 愛宕東洋ビル 〔プログラム〕 ○開会の辞(午前10時30分) ペット法学会理事長 棚橋 祐治 総合司会 明治大学教授・ペット法学会事務局長 新美 育文 シンポジウムコーディネーター 帯広畜産大学理事・副学長・ペット法学会副理事長 吉田 眞澄 ○午前の部 研究報告(午前10時40分より) 研究報告(各25分) 「ペット大国への最終ハードルとペット法学会の役割」 帯広畜産大学理事・副学長・ペット法学会副理事長 吉田 眞澄 「獣医療の将来と獣医師法・動物愛護管理法」 麻布大学教授 太田 光明 「動物愛護管理法改正とペット流通業の課題」朝日新聞アエラ記者 太田 匡彦 「住宅事業と入居者サービス」 旭化成ホームズ くらしノベーション研究所 ― 昼食休憩(12時30分頃より)― 午後12時40分より役員会(役員のみ) 午後1時30分よりペット法学会総会(会員のみ) ○午後の部 研究報告とパネルディスカッション(午後2時00分より) 研究報告(各25分) 「ペットフードの役割の変化と法的課題」 (下の方に 青字 で内容を示します。) 弁護士・ペット法学会事務局次長 渋谷 寛 「ペット関連事業者としての自治体の挑戦」 京都市議会まちづくり委員会委員長 中村三之助
報告者間の質疑応答(午後3時より90分) 報告者と参加者の質疑応答(午後4時30分より60分)
○閉会の辞(午後5時30分頃終了予定)
研究報告「ペットフードの役割の変化と法的課題」 レジュメ 報告者 弁護士 渋 谷 寛 一 初めに ペットの食事に関して、家庭でのご飯の残り物を与えていた時代から、ペット専用の食事を与える時代へと移り変わってきた。 飼い主が手作りするか、手軽に購入できるペットフードを与えることが多くなった。ペットを飼育している人のペットフードへの依存率は、犬や猫の食事やおやつに関する2007(平成19)年に行われた「ペットフードの安全に対する国民意識調査」(農林水産省、環境省)によると、犬を飼っている世帯の7割、猫を飼っている世帯の8割程度が、100%ペットフードのみで飼っていると回答している。また、一般社団法人ペットフード協会の平成22年 全国犬・猫飼育実態調査結果(資料1)によると、犬猫共に市販のドライタイプのペットフードの利用が9割近くあり、ほとんどの飼育者が市販のペットフードを利用しているといえる。 ペットフードの出荷数量は、平成5年では54.4万トンであったのが平成18年では輸入品国産品を合わせて合計77.2万トンになっている(ペットフード工業会 産業実態調査)とのデータがあり(環境省のホームページ)、増加傾向にある。 ペットフードによりかえって健康を害するのではないかとの疑問の声がささやかれる中、平成19年春に北米でペットフードによる死亡事件が起こり、ペットフードの危険性が問題視されるようになった。そこで、我が国にもいわゆるペットフード安全法が制定される運びとなった。しかし、この法律だけでペットフードの安全性は保たれるのか、法律にどのようなことを今後期待すべきなのか。 他方で、ペットフードは多様化、多品種化し、飼い主は、どの様にペットフードを選んだら良いのか迷い始めている。商品のうたい文句に対応するだけの効果は実際にあるのだろうか。 二 ペットフードについて 1 ペットフードの歴史 19世紀後半にアメリカで犬用ビスケットを作ったのが最初とされている。日本には1950年代に輸入が始まり、1960年代に国産商品が製作されたとされている。 2 ペットフードの種類 ア 目的別として、総合栄養食、間食、その他の目的食(おかず、療養食、サプリメント等)がある イ ライフステージ別として、妊娠・授乳期、哺乳期、幼犬期・幼描期・成長期、成犬・成描期、高齢期がある。 ウ 更に、犬の大きさにより小型犬用・中型犬用・大型犬用に分けられ、犬種より分けられることもある。 最近は、多様化が進んでいる。 3 商品としてのペットフード ペットフードは商品として製品化されているため、企業が利潤追求の為に品質の低いものを使いコストを下げているのではないか、ペットフードの品質が問題とされている。例えば、原材料として鶏肉を使用していると表示されていても、鶏肉のどの部分を使っているかは明らかとされていない。鶏冠の部分、内臓、砕いた骨などが混入しているのではないか。人間の食べる部分を除いた通常捨てるようなものが使われている可能性はないか。 国民生活センターに対しても問い合わせの事例がいくつかあった。カビ毒が混ざっていたとして自主回収したこともあった。 三 ペットフードへの毒物の混入事件 平成19年3月、北米で特定のペットフードを食べた犬猫が大量に死亡する事件が発生した。中国で原材料にメラミンが混入されたことが判明した。 日本へも、並行輸入されていたが、この商品による実害の報告はなかった。 当時我が国では、ペットフードを規制する法律はなかった。人間が食べる牛・豚や鶏等の家畜(飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律施行令(昭和五十一年七月十六日政令第百九十八号)第1条参照)の餌に関しては法規制(「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和二十八年四月十一日法律第三十五号)」いわゆる資料安全法)があったが、人が食べることを前提としない犬猫の餌については規制がなかった。飼い主のペットフードの安全性に対する関心は高まり、北米での被害と同様の被害が我が国に生じないよう、事前に防止できるよう、問題が生じたときに被害を拡大させないようにする何らかの法規制を行うことが検討され始めた。 四 「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(平成二十年六月十八日法律第八十三号)いわゆる「ペットフード安全法」制定。 同法の規定内容(条文抜粋) (目的)第一条 この法律は、愛がん動物用飼料の製造等に関する規制を行うことにより、愛がん動物用飼料の安全性の確保を図り、もって愛がん動物の健康を保護し、動物の愛護に寄与することを目的とする。 (定義)第二条 この法律において「愛がん動物」とは、愛がんすることを目的として飼養される動物であって政令で定めるものをいう。 2 この法律において「愛がん動物用飼料」とは、愛がん動物の栄養に供することを目的として使用される物をいう。 3 この法律において「製造業者」とは、愛がん動物用飼料の製造(配合及び加工を含む。)を業とする者をいい、「輸入業者」とは、愛がん動物用飼料の輸入を業とする者をいい、「販売業者」とは、愛がん動物用飼料の販売を業とする者で製造業者及び輸入業者以外のものをいう。 (事業者の責務)第三条 製造業者、輸入業者又は販売業者は、その事業活動を行うに当たって、自らが愛がん動物用飼料の安全性の確保について第一義的責任を有していることを認識して、愛がん動物用飼料の安全性の確保に係る知識及び技術の習得、愛がん動物用飼料の原材料の安全性の確保、愛がん動物の健康が害されることを防止するための愛がん動物用飼料の回収その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 (国の責務)第四条 国は、愛がん動物用飼料の安全性に関する情報の収集、整理、分析及び提供を図るよう努めなければならない。 (基準及び規格)第五条 農林水産大臣及び環境大臣は、愛がん動物用飼料の使用が原因となって、愛がん動物の健康が害されることを防止する見地から、農林水産省令・環境省令で、愛がん動物用飼料の製造の方法若しくは表示につき基準を定め、又は愛がん動物用飼料の成分につき規格を定めることができる。 2 農林水産大臣及び環境大臣は、前項の規定により基準又は規格を設定し、改正し、又は廃止しようとするときは、農業資材審議会及び中央環境審議会の意見を聴かなければならない。 (製造等の禁止)第六条 前条第一項の規定により基準又は規格が定められたときは、何人も、次に掲げる行為をしてはならない。 一 当該基準に合わない方法により、愛がん動物用飼料を販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与及びこれに準ずるものとして農林水産省令・環境省令で定める授与を含む。)の用に供するために製造すること。 二 当該基準に合わない方法により製造された愛がん動物用飼料を販売し、又は販売の用に供するために輸入すること。 三 当該基準に合う表示がない愛がん動物用飼料を販売すること。 四 当該規格に合わない愛がん動物用飼料を販売し、又は販売の用に供するために製造し、若しくは輸入すること。 その他の規定内容 愛がん動物用飼料の廃棄等の命令 製造業者の届出 帳簿の備付 行政の報告徴収・立入検査 罰則などが定められ 主に平成21年6月1日より施行された。 政令により犬猫のフードに限定 ペットフード関連業者に対し行政からの監視を行うためには意味のある法規制といえようが、飼い主にとって日常的にどれだけ有意義な立法であるかは再検討の余地があろう。 五 ペットフードの原材料等の表示について 飼い主は、ペットフードに使用される肉は人が普段食べない産業廃棄物を使用しているのではないか、犬や猫の死体が混入しているのではないか、酸化防止剤、防腐剤、エトキシキンなどの有害な薬品(合成添加物)が大量に使用されているのではないか、アレルギー・皮膚病や癌などの病気を誘発していないかなどの疑問を抱いているところ、これらの疑問を解消するに足る規制としては十分であろうか。 業者には、一定の表示義務が課せられているが、その項目は限られておりまた概括的な表示で足りてしまう。今後は、法律レベルで表示内容をより詳細なものにする必要があるのではなかろうか。 2 政令による表示の基準 愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令(平成二十一年四月二十八日農林水産省・環境省令第一号) 別表
3 販売用愛玩動物用飼料の表示の基準 期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。)
エ 製造業者、輸入業者又は販売業者の氏名又は名称及び住所 3 環境省の原材料に関するホームページのQ&Aより Q3.7 ペットフードの原材料に含まれる添加物を表示する必要はありますか。
A3.7 ペットフードの製造に使用した添加物を記載しますが、原材料に含まれる添加物の表示までは義務付けていませんので、任意表示となります。例えば「かにかま」や「チーズ」などの食品をペットフードに配合する場合、「かにかま」、「チーズ」を原材料名として表示します。 Q3.10 原材料名の記載について、順番はありますか。 A3.10 公正取引委員会の認定を受けた「ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則」では、原材料名の表示は、使用量の多い順に記載すると定められています。ペットフード安全法では、原材料名の記載順序は特に規定していませんが、消費者に対する適切な情報提供の観点からは、原則、多い順に記載することが望ましいと考えます。 4 「ペットフードの表示に関する公正競争規約」(公正取引委員会、消費者庁平成22年11月30日告示第4号)による必要な表示事項 (1)ペットフードの名称 (2)ペットフードの目的(総合栄養食、間食、その他の目的食の別) (3)内容量 (4)給与方法 (5)賞味期限 (6)成分 (7)原材料名 (8)原産国名 (9)事業者の氏名又は名称及び住所 これらの規定は法的な強制力はない。 5 「ペットフードの表示に関する公正競争規約」 同規則では、更に細かい表示方法を定めている。 ところで、上記(7)の原材料の表示に関しては、「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律の施行について(平成21年農林水産省消費・安全局長環境省自然環境局長通知)」に従い、表示することができる、としている。 6 平成21年5月29日農林水産省消費・安全局長環境省自然環境局長(通知)同通知では次のように定めている。
その(3)表示の基準(成分規格等省令別表の3)
ア 販売用愛がん動物用飼料の名称
イ 原材料名 (略)
添加物にあっては、加工助剤(愛がん動物用飼料の加工の際に添加される物であって、当該愛がん動物用飼料の製造の過程において除去されるもの、当該愛がん動物用飼料の原材料に起因してその愛がん動物用飼料中に通常含まれる成分と同じ成分に変えられ、かつ、その成分の量を明らかに増加させるものではないもの又は当該愛がん動物用飼料中に含まれる量が少なく、かつ、その成分による影響を当該愛がん動物用飼料に及ぼさないものをいう。)を除き、原材料として使用したものをすべて記載することとする。 このような内容を、法律のレベルまで上げる必要があるのではなかろうか。 六 ペットフードの多様化 犬猫での区別はもちろん、年齢ごと、種別ごとの製品の必要性はあるのか。多様化し細分化したことに伴う効果の差は本当にあるのであろうか。高齢化、生活慣習病に対する効果はどれだけあるのだろうか。細分化に伴う適切な対応を飼い主はできるのであろうか。 七 ペットの健康との関係 栄養のバランス、カロリーの調整が必要。総合栄養食だけで足りるのか、低カロリーだとしても与え過ぎてはいないか。 市販のペットフードを与えることで、かえって健康を害していないか。 八 獣医療との関係 ペットフードは、、薬事法で定める動物用医薬品ではないのでパッケージや広告等で疾病の予防や効果効能を標榜することはできない。 特別療法食は、特定の疾患や疾病などに栄養的に対応するために栄養バランスが考慮され、専門的なアドバイスや処方に従って与えることを意図したペットフードとされている。 獣医師と十分に話し合いながら療養食を使用することが望ましい。 平成20年4月11日農林水産省消費安全局長(通知)「動物用医薬品等の範囲に関する基準について」参照。 九 飼い主の知識の成熟 手作りのものがいいのか、市販のものが良いのか。 栄養素のバランスを取ることと適切なカロリー調整をすることが必要と考えられる。 ペットの種類、年齢や散歩などの運動量も関係してくるものと考えられる。 ペットの様子を見ながら、排便や体重などを観察しながら適切な餌を与えているのかどうかを判断するしかないのではなかろうか。 ペットフードにも品質の差があるようなので、多くの情報を得ながら適切なペットフードを選択すべきであろう。 必要とされている栄養素は何か、取りすぎると病気につながる栄養素はないか、飼っているペットごとにこれらのことを調べ勉強する必要もあろう。 仮に悪質又は杜撰な企業があるとしたら、虚偽表示をされてしまうこともあろう。 実際、原材料にササミとの表示がありながら、その代わりに白身魚が入っていた例も存在する。 ペットの様子を絶えず見ていなければならないし、過去に事件をおこしたことのある企業に関する知識も必要となろう。 一〇 ペットフードの今後の展望 十分で害のない栄養を容易にとることができ、病気にかからないペットフードの安定的な供給が望まれる。 ペットフード安全法は、行政に権限を与えた効果が目立つ。 飼い主にとって今後どのような法規制が必要となるのか、再検討する必要があろう。 十一 参考文献 ・ペットフード/ペットマナー検定公式テキスト 左向敏紀ほか監修 一般社団法人ペットフード協会発行 ・ペットフード安全法の解説 ペットフード安全法研究会編著 大成出版社
資料1 一般社団法人ペットフード協会 平成22年 全国犬・猫飼育実態調査 結果 平成22年 全国犬猫飼育率調査:ペットフードのタイプ別利用率(複数回答)
2011年度 第14回 ペット法学会・学術集会シンポジウム テーマ:「動物愛護管理法改正の重要課題」 日時: 2011年 11月5日(土) 午前10時00分から午後5時00分頃まで(午前9時50分開場予定) 場所: JAたかつき(別紙地図参照) 〒569-0071 大阪府高槻市城北町一丁目15-8 〔プログラム〕 〔プログラム〕○開会の辞(午前10時00分) ペット法学会理事長 棚橋 祐治 ○ペット法学会学術集会の趣旨説明 学術集会コーディネーター・司会 吉田 眞澄 (ペット法学会副理事長) ○午前の部 講演と研究報告(午前10時15分より) 研究報告(各25分) ペット法学会理事・事務局次長・弁護士 渋谷 寛 (報告内容(レジュメ)を下の方に青字で転記します。) ペット法学会理事・日本動物愛護協会理事長・獣医師 中川 志郎 ペット法学会会員・THEペット法塾事務局長・弁護士 細川 敦史 ペット法学会副理事長・帯広畜産大学理事・副学長 吉田 眞澄 講演 「動物愛護管理法改正に求めるもの」(30分) 自由民主党動物愛護議連事務局長 松浪 健太
― 昼食休憩(12時20分頃より)― 午後12時30分より役員会(役員のみ) 午後1時30分より同会場にてペット法学会総会(会員のみ) ○午後の部 講演とパネルディスカッション(午後2時00分より) 講演 「動物愛護管理法改正に求めるもの」(30分) 民主党動物愛護議連会長 松野 頼久 パネルディスカッション「動物愛護管理法改正の重要論点」 ペット法学会監事・ヤマザキ学園大学准教授・日本動物愛護協会常任理事 会田 保彦 名古屋学院大学准教授 川村 隆子 ペット法学会理事・事務局次長・弁護士 渋谷 寛 ペット法学会会員・THEペット法塾事務局長・弁護士 細川 敦史 ペット法学会評議員・日本動物福祉協会・獣医師 山口 千津子
○閉会の辞 (午後5時00分頃終了予定) ペット法学会常任理事・大阪大学教授 小泉 潤二 ○懇親会 学術集会終了後、会場の向かい側(市庁舎15F)の中華菜館桃莉にて懇親会(懇親会費各2,500円) ○協力団体 THEペット法塾 NPO法人動物愛護を推進する会 「改正についての環境省の動きと改正の問題点」 研究報告者 弁護士 渋 谷 寛
第1 改正についての環境省の動き 1 昭和48年に動物保護及び管理に関する法律が議員立法として制定された。過去2度の改正において5年後を目途に改正の必要性を検討するとされてきた。 「平成11年改正の附則 第二条(検討) 政府は、この法律の施行後五年を目途として、国、地方公共団体等における動物の愛護及び管理に関する各種の取組の状況等を勘案して、改正後の動物の愛護及び管理に関する法律の施行の状況について検討を加え、動物の適正な飼養及び保管の観点から必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」 「平成17年改正の附則 第九条(検討) 政府は、この法律の施行後五年を目途として、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」 過去2回の改正はともに議員立法として行われてきた。 2 「動物愛護管理のあり方検討小委員会」(以下「小委員会」とする。)が設置された。 平成22年8月10日、中央環境審議会動物愛護部会のもとに小委員会が設置された。 東京農業大学農学部林良博教授を委員長として合計18名の委員により構成されている。愛護団体の代表者、動物取扱業界、獣医師、動物愛護センター、法律家などの関係者が選ばれている。 環境省に寄せられた要望書などが整理され「制度の見直しにおける主要課題」(資料A)が作成された。 毎月2回のペースで会議が開かれることになった。会議は公開で傍聴が可能。配布資料も委員限りのものを除きほとんど公開されている。 関係者を委員会に招き意見を聞くこと(ヒヤリング)を行ってきた。 当初は平成23年10月には「小委員会報告書」を作成しパブリックコメントを募集する予定だった。ところが、本年3月に起きた東日本大震災の影響で遅れが生じた。 小委員会は本年7月末から8月末にかけて動物取扱業の適正化に関してパブリックコメントを募集した。12万件強のコメントを得ることができた。コメントを整理した一覧表はすでに先日の会議の時点で配布されている。 http://www.env.go.jp/info/iken2.html その後も残る課題について検討を加え、2度目のパブリックコメントに向けて案を作成中である。本年10月25日現在の案「動物愛護管理あり方小委員会におけるこれまでの主な意見」は資料B。 平成24年春の国会における成立に向けて準備中。 第2 改正の問題点 1 小委員会での議論について 議論の内容については公開されている議事録を見て頂きたい。 http://www.env.go.jp/council/14animal/yoshi14-03.html 規制をより実効的なものにするため、たとえば飼育する施設の大きさについて数値化を行う必要性があるとの意見も出た。行政関係者は、取扱業者に対し違反していると指摘するためには、明確な基準・数値としての基準が望ましいとする。基準が数値化されていると、違反していると指摘し易いとの理由だ。それでは、どの様に数値化すべきか、数値化するだけの学問的根拠があるか、数値化するとして動物の種類ごとにそれぞれ個別にするべきか、一律の基準で良いかなどが議論されている。動物の種類が多く個体差があるだけに、数値による基準化にも多少の困難がありそうだ。 2 動物愛護管理法が改正したが故に違憲と判断されないために たとえば、深夜営業に関する規制の是非について。憲法上の議論をするとしたら、業界側は営業の自由(憲法第22条)を主張する。これに対し、動物愛護の精神をより推し進めるためには、憲法上のどのような人権を引き合いに出し対立させればよいのか。ペットの飼い主の幸福追求権(憲法第13条)であろうか。そのことを否定はしないが、動物愛護の精神からすると不十分な気がする。公共の福祉に反しない限りという制約の中に動物愛護の気風・精神を取り込むことになろうか。いずれにせよ、営業の自由に制限を加える憲法上の正当な根拠が求められ、これにこたえられなければならない。 法律である動物愛護管理法が改正の結果を最高裁判所で違憲と判断されては大変なこととなる。動物愛護管理法の改正に際しては、違憲な立法とならないように配慮することも必要である。 我が国では、動物愛護に関連する生類憐みの令が悪法と評価されたという経験がある。国民がついてこられない程の急激な改正は慎むべきであろう。世論の理解・盛り上がりと歩調を合わせて改正を実現してゆくべきである。 世界に誇れるほどの平和主義を規定した日本国憲法でも、動物に関する規定は存在しない。例えば、動物に関する規定を憲法に置くとしたらどのような規定を置くべきか。「動物は人と同等の権利を有する。」という規定を置くことができるであろうか。ここまで進んだ規定を憲法においた国は諸外国にも例がなく大変難しいであろう。それでは「国は、自然環境と動物を保護しなければならない」とする規定を置くことはどうだろうか。ドイツの基本法第20条aには同様の規定が存する。もしこの規定が我が国の憲法に置かれたら、動物愛護の気風をより高めるための動物愛護管理法の改正が楽に進行することであろう。動物愛護管理法の改正をよりスムーズに進めるためには、憲法改正のための活動も必要である。我が国では、憲法が改正されることはほとんどなく実現可能性は少ないが、動物愛護活動の勢いからこの難関を突破することができるかもしれない。 3 動物虐待に関する罰則規定について 第44条には動物虐待に関する規定が三種類設けられている。動物殺傷、動物虐待と動物遺棄である。 動物殺傷とは、動物を傷つけるもしくは命を絶つことであり、行為としては比較的わかりやすい。しかし、実際の起訴にあたっては、事故による殺傷との区別や立証の難しさという問題がある。虐待行為があったことを明らかにする助けとして法獣医学という分野の進展も必要であろう。 罰則の定義としてより理解し難いのが遺棄行為ではなかろうか。人間に対する遺棄行為についても、対象としての要保護者(老齢者、幼齢者など)の範囲、保護義務の存否、作為の遺棄だけでなく、不作為の遺棄を含むか、移動としての離隔を必要とするかなど様々な議論がある。動物に対する遺棄罪はどのような場合に成立するのか。山中に動物の手足を縛って遺棄したら成立することは間違いないであろう。しかし、手足を縛らず自由に動ける状態で野に放った場合はどうか。動物病院の玄関ドアの前に置き去りにしたときはどうか、街中の公園に置き去りにしたときはどうか、など疑問は尽きない。罰則に関する明確化の努力も必用である。明確化されなければ、警察も動きにくく起訴もされないからである。 4 動物葬祭・埋葬業に関する規制 動物埋葬業者が、火葬すると偽って山中に捨てていた事件が明るみとなり話題を呼んだ。動物葬祭・埋葬業者は、動物取扱業に入れられていないが、改正して加えるべきであろうか。この点、動物愛護管理法は命ある動物を前提とするのであるから、死亡後の動物に関する業種は加えるべきではないとの意見がある。 しかし、動物愛護の気風は、動物の死後に及んでもよいはずである。動物に対する畏敬の念を考慮してもよいのではなかろうか。動物愛護管理法が死後の動物に対する扱いを絶対に排除しなければならないものとも思えない。動物取扱業に追加し、火葬施設を有するか、有するとして常設か移動式かなどに関し登録させることにも一義あろう。 第3 最後に その他にも重要課題は山積している。改正の必要性と可能性を見極め、もっとも適切な改正条項案を作成するようにしなければならない。 以上 ○第二部 パネリスト報告とパネルディスカッション(午後1時30分より) パネリスト報告 ヤマザキ学園大学 准教授 小 方 宗 次(45分) 宮田動物病院 院長・獣医師 宮 田 勝 重(45分) ― 休 憩 ― ◇ パネルディスカッション(司会新美育文、午後3時10分より) その後質疑応答 ◇ 閉会の辞 (午後4時30分頃終了予定) ◇ 午後4時40分頃から同研究棟の別会場にて懇親会(会費各2,000円) 皆様には、午前9時50分までにはお集まり下さるようお願い申し上げます。
2009年度 第12回 ペット法学会・学術集会のご案内 テーマ 「ペットの住まいと旅」 日時 2009年 11月7日(土) 午前10時00分から午後4時45分頃まで(午前9時50分開場予定) 場所 明治大学 研究棟(2F) 第9会議室 〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 TEL:03-3296-4317(代) 今回は会員以外の方も参加費を無料と致します。 〔プログラム〕 ○開会の辞 (午前10時00分) ○午前の部 基調報告とパネリスト報告 (午前10時05分より) 基調報告 「ペットの住まいと旅~ ペット条例の現状と国立公園における規制(仮題)」 環境省 自然環境担当審議官 渡 辺 綱 男 パネリスト報告 1 「ペットと共同住宅」㈱長谷工コーポレーション 技術推進部門 エグゼクティブ エンジニア 佐久間 真 一 2 「住宅におけるペットの保有・管理と裁判例」 日本大学法学部 教授 長谷川 貞 之 ― 昼食休憩(午後12時05分頃より)― 午後1時05分よりペット法学会総会(会員のみ) ○第二部 パネリスト報告とパネルディスカッション(午後1時35分より) 3 「公共交通機関におけるペット移動に対する制約と裁判例に見る移動上の問題点」 弁護士 渋 谷 寛 4 「ペットと出掛ける旅~ 受付・受入れの現状と問題点」 ㈱日本旅行 赤い風船事業部 担当部長 大 島 浩 子 5 「ペットを連れた海外旅行をめぐる法律問題」 國學院大學法学部・ 法科大学院教授 吉 井 啓 子 6 「米国へのペット持込みと法的留意点」日本大学法学部准教授 ニューヨーク州弁護士・外国法事務弁護士 坂 本 力 也 (休憩) 7 パネルディスカッション・質疑応答 8 閉会の辞 (午後4時45分頃終了予定) 9 午後5時頃から同研究棟の別会場にて懇親会(懇親会費各2,000円)
2008年度 今回は、創立以来10年を経過した記念すべき大会であります。そこで、テーマを 「ペット法学会設立10周年記念講演・シンポジウム ペット-この10年」というものにし、 ペットと住宅、ペットと健康、ペットと動物愛護、ペットと社会資本・社会システム、 及びペットと法律を個別のテーマとして取り上げています。また、会場はこれまで東京が続きましたが、 今回は関西地区になっています。さらに、広く一般の人に聴講してもらい学会のことを知ってもらうために 会員以外の一般人の 聴講料を無料 にする様です。 記 テーマ 「ペット―この10年」 日時 2008年11月8日(土) 10時~16時30分 場所 大阪府高槻市・現代劇場 〒569-0077 大阪府高槻市野見町2-33 TEL 072-671-1061 [プログラム] シンポジウム 「ペット―この10年」 コーディネーター・司会 吉田 真澄 (午前の部 10時開始) ○総論 ペット―10年の総括 東京大学大学院教授 林 良博 ○各論 ペットと住宅 旭化成ホームズ株式会社 住生活総合研究所所長 熊野 勲 ペットと社会資本 西日本高速道路専務取締役 山本 正尭 ペットと健康 (社)日本獣医師会理事 細井戸大成 ペットと動物愛護 THEペット法塾・弁護士 細川 敦史 ― 昼食休憩(12時30分頃より) ― 13時30分よりペット法学会総会 (午後の部 14時開始) ペットとビジネス 全国ペット小売業協会副会長 太田 勝典 ペットと法律 帯広畜産大学教授・弁護士 吉田 真澄 ○質疑応答 (16時30分頃終了)
2007年度
第10回 ペット法学会・学術集会のご案内 テーマ 「獣医療と法」 日時 2007年 11月17日(土) 午前10時25分から午後4時30分頃まで(午前10時10分開場予定) 場所 明治大学 研究棟(4F) 第1会議室 〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 〔プログラム〕 ○開会の挨拶 (午前10時25分) ○第一部 コーディネーターの問題提起とパネリスト報告(午前10時30分) (司会)明治大学 教授 新美育文
1 ドイツ法 早稲田大学大学院法務研究科 教授 浦川 道太郎 2 アメリカ法 日本大学法学部 教授 長谷川 貞之 3 フランス法 國學院大學法務研究科・法学部 准教授 吉井啓子 4 わが国の獣医療について 井本動物病院院長 獣医師 井本史夫 5 日本の法状況(1) 弁護士 渋谷 寛 6 日本の法状況(2) 弁護士 浅野明子 ― 昼食休憩(午後0時35分頃より)― 午後1時40分よりペット法学会総会(会員のみ) ○第二部 パネルディスカッションと出席者の質疑応答(午後2時) 1 パネルディスカッション 2 出席者の追加報告 3 出席者との質疑応答(午後4時30分頃終了) 午後4時45分頃から同会場または近隣にて懇親会(懇親会費各2,000円) ※ 会員以外の方は当日大会参加費として3,000円(学生2,000円)をお支払いください。
2006年度 第9回 ペット法学会・学術集会のご案内 テーマ 「改正動物愛護管理法施行後の課題」 日時 2006年 11月19日(日) 場所 明治大学 研究棟 第9会議室 1 問題提起 帯広畜産大学 教授 吉田眞澄 2 動物愛護管理行政 環境省動物愛護管理室 室長 築島 明 3 動物取扱業者 全国ペット小売業協会 副会長 太田勝典 4 動物実験関連組織 帯広畜産大学 教授 鈴木宏志 5 動物関係教育機関 ヤマザキ学園 理事長 山﨑 薫 6 実施協力組織 日本動物保護管理協会 事務局長 四宮勝之 7 動物愛護団体 日本動物福祉協会 山口千津子 8 報告のまとめ等 帯広畜産大学 教授 吉田眞澄
― 昼食休憩(午後0時35分頃より)― 午後1時40分よりペット法学会総会(会員のみ)
→ 明治大学法曹界会報に寄稿(平成14年5月) ・ 動物雑誌(連載中) ベネッセ・コーポレーションの「いぬのきもち」の2003年6月号から「犬法相談室」というコーナーで、「ねこのきもち」の2005年6月号から「もしものときの猫の法律相談所」というコーナーでお手伝いをしています。 ネコ・パブリッシングの月刊誌「NEKO」からも時々法律相談を受けています
・ 当事務所のペット訴訟の経過(一部)
・ エデルちゃん事件 ・ ナオちゃん訴訟事件(平成19年2月1日判決、飼い主の請求は一部認められましたが、依頼者からの要請により詳細をお伝えすることは出来ません。) ・ リックちゃん訴訟事件(平成19年1月24日判決、飼い主の請求は認められませんでした。) ゴールデンリトリバー(当時9才)であるリックちゃんがは、角膜に傷がありその治療のために通院したが、目薬では功を奏さず、瞬膜フラップの手術を進められた。気が進まなかったが断りきれず手術することになった。体温が40度以上(平熱は38度から39度)あるにもかかわらず、また、血液検査項目にも異常な箇所があるにもかかわらず手術を強行し、2日後に死亡した事案。手術すべき状態ではなかったのに手術した獣医師の責任を問う事件です。 被告の病院は地方にありますが、東京地方裁判所にて受け付けてもらい民事30(医療集中)部に係属され、第一回口頭弁論期日は平成16年11月29日月曜日午前10時より627号法廷となりました。傍聴可。但し、地方の裁判所に移送される可能性があります。 被告に横浜の弁護士が付き、横浜地方裁判所へ移送されることになりました。それ故、11月29日の法廷は無くなりました。横浜地方裁判所での日程は2月16日(水)601号法廷午前10時からと決まりました(傍聴可能)。第4民事部に係属しまいた。 横浜地方裁判所でも平成16年10月から医療集中部が発足しました、第4民事部と第5民事部です。 獣医師側は、多臓器不全による死亡は全く予測できなかったと反論していました。
・ シュナちゃん訴訟事件(平成18年6月末に和解して終了しました) 獣医師が糖尿病の疑いがあるのに、尿検査も行わず、膵炎の治療のみを行い、退院した翌朝に死亡した事案。 某大学の有名な教授が鑑定してくれました。膵炎であるとの判断はいたしかたないが、退院後死亡する可能性のあることを説明しなかったことは妥当でないとの鑑定をしてくれました。
・ 真依子ちゃん訴訟事件(確定済み) 糖尿病の治療のため入院した犬(真依子チャン)が死亡したことに関し、平成15年7月23日、獣医療過誤訴訟を東京地方裁判所へ提起しました。医療過誤集中部である民事30部に配属され合議事件の扱いとなりました。第1回口頭弁論期日は9月4日午前10時より、611号法廷でした。多数の方に傍聴に来ていただき大変有り難うございました。 平成15年11月5日の弁論準備。争点は、高血糖であるにもかかわらずインスリンを投与しないことに医学的に理由があるか否かです。 被告は、インシュリンを投与しなかった理由として、低カリウムで心臓の負担があり死亡する危険がある、血中のインシュリンの量を測定する必要があるが年末で測定できなかった等と反論しています。 被告の反論に対し、原告側で再反論を行い、その後原・被告両当事者の陳述書を作りそれから証人尋問になります。証人尋問は傍聴可能な公開法廷で行われます。 平成16年2月16日月曜日午後1時30分より5時頃まで、東京地方裁判所民事30部 627 号法廷(611号法廷ではありませんご注意下さい)で行われます。原告、被告獣医師、証人としての獣医師に対して尋問が行われます。糖尿病の犬に対し、インシュリンを投与しなかったことについて過失があったか否か等が争点となります。 証人尋問・本人尋問の手続きは終わりました。カリウムの値が低いのでインシュリンを投与しなかった等の証言がありました。謝罪の言葉はありませんでした。和解をする状況でもないので、事件は終結し判決の言い渡しとなりました。判決の日時は、5月10日午後1時10分(627号法廷)です。 平成16年5月10日判決言い渡し。裁判所は獣医師の医療ミスを認めた。入院した翌日にインシュリンを投与しなかったことに注意義務違反があると認めました。 東京地方裁判所民事30部(医療集中部、福田剛久裁判長、吉岡大地裁判官) 獣医療事件を医療集中部で扱うのは初めてのことと思われる 判決認容額は、慰謝料60万円、治療費等の損害約10万円、弁護士費用10万円の合計約80万円です。 平成14年3月に宇都宮地方裁判所ででた判決のときには飼い主の慰謝料は20万円でしたので、一気に3倍まで増えたということができます。 昨年7月に提訴し、9月4日が初回口頭弁論期日、今年の2月16日に証人等尋問調べそして終結、5月10日判決言い渡しというスピード審理でした。 テレビのニュース番組、新聞等多数の場面に報道されました。 東京地方裁判所のHP(主要判決速報)に判決文が一時期掲載されました。 被告は控訴しましたが、平成16年6月2日控訴を取り下げました。これにより、一審の判決が確定しました。 判決文の一部を掲載します(アンダーラインは後からつけました)。 「(1)逸失利益 原告らは本件患犬の死亡による逸失利益の賠償の請求をしており、確かに、本件患犬は血統書付きの犬で(甲C2、C3、C18、C22)、多数の表彰等を受けたことがあり(甲C4からC8まで)、平成9年10月5日には日本スピッツ協会から種犬認定を受けており(甲C9)、繁殖可能な年齢であることは認められる(甲C15、原告博充本人)。 しかし、原告らは本件患犬を子供のように思って育ててきたものであり、本件患犬を売却したり繁殖させたりする意思はなかったことは明らかである(甲A8、C13、C14、C21、C37、原告博充本人)から、本件患犬の交換価値を算定することは困難である(原告らは、本件患犬の取得価格等の主張はしておらず、交換価値を損害とすることは、原告らの求めるところでもないと解される。)し、繁殖させることができなくなった逸失利益が発生したと認めることもできない。 したがって、原告らの主張するような逸失利益の賠償はこれを認めることはできないが、本件患犬が上記のような犬であったことは、慰謝料の算定において考慮することとする。 (2)(3)省略 (4)慰謝料 各30万円 犬をはじめとする動物は、生命を持たない動産とは異なり、個性を有し、自らの意思によって行動するという特徴があり、飼い主とのコミュニケーションを通じて飼い主にとってかけがえのない存在になることがある。 原告らは、結婚10周年を機に本件患犬を飼い始め、原告博充の高松への転勤の際に居住した社宅では、犬の飼育が禁止されているところを会社側の特別の許可を得て本件患犬を飼育したほか、その後の東京への転勤の際には本件患犬の飼育環境を考えて自宅マンションを購入し、本件患犬の成長を毎日記録するなど、約10年にわたって本件患犬を自らの子供のように可愛がっていたものであって、原告らの生活において、本件患犬はかけがえのないものとなっていたことが認められる(甲A8、C11、C13、C14、C19からC24まで、C37、原告博充本人)。また、原告らは、以前に飼育していた犬が病死したことから、本件患犬を老衰で看取るべく(スピッツ犬の寿命は約15年である。)、定期的に健康診断を受けさせるなとしてきたにもかかわらず、約10年で本件患犬が死亡することになったものであって、本件以降、原告満美がパニック障害を発症し、治療中であること(甲C11)からみても、原告らが被った精神的苦痛が非常に大きいことが認められる。 そこで、本件患犬が前記(1)で認定したような犬であったことも合わせて斟酌すると、原告らが被った精神的損害に対する慰謝料は、それぞれ30万円と認めるのが相当である。」 Copyright (C) : 1997-2001 Shibuya Law Office |